ナノ柱状晶からなる透明多結晶厚膜の提案 :: Strontium titanate transparent thick film composed of close-packed nanocolumns (Vacuum, 2020)

Jianchao Chen氏、後藤 孝教授 (東北大学) との研究成果が、Vacuum 誌に受理されました。論文題目は、「High-speed epitaxial growth of SrTiO3 transparent thick films composed of close-packed nanocolumns using laser chemical vapor deposition」です。

単結晶バルク体や薄膜は、高い透光性を示しますが、平滑な表面からなることから比表面積は小さくなります。一方、多孔質体は、大きな比表面積を有しますが、光の散乱により一般的には不透明となります。もし高い透光性と比表面積を両立した材料を合成することができれば、新たな光触媒材料への応用が期待できます。

本研究では、レーザーCVD法を用いてMgAl2O4単結晶基板上にSrTiO3厚膜を高速エピタキシャル成長させました。SrTiO3厚膜は高い透光性を示し、SEM電顕観察においては緻密な構造が観察されていましたが、TEM電顕観察を通じて、この厚膜はナノサイズのSrTiO3柱状晶が密に集合した構造を持っていることを明らかにしました。

尚、本研究成果の一部は、日本学術振興会科研費・基盤研究 (B) (17H03426) 他の支援を受けて得られたものです。


J. Chen, A. Ito, T. Goto, High-speed epitaxial growth of SrTiO3 transparent thick films composed of close-packed nanocolumns using laser chemical vapor deposition, Vacuum. https://doi.org/10.1016/j.vacuum.2020.109424

AY2020

2020年度がスタートしました。新4年生3名が加入しました!

伊藤は、2020年度 科研費 基盤研究(B) および 新学術領域研究 公募研究に、それぞれ研究代表者として新規採択されました。松本昭源君は、2020年度笹川科学研究助成および2020年度国大化学会ドクターコーススタートアップ支援に採択されました。

一方、COVID-19の感染拡大防止のため、学生の大学構内への入構禁止が通達されました。伊藤研究室では、コロナ明けに向けて、各自がリモートワークすることにしています。

ROUTE 2020SS

伊藤暁彦研究室では、2020年度春学期ROUTEプロジェクトに研究テーマを提供しています。気相法による人工宝石もしくは無機蛍光体結晶の育成に興味がある学生の参加をお待ちしております。

本テーマに関連した研究成果が、米国光学学会の速報誌に掲載されたばかりです。いま力を入れている研究トピックスの一つです。

参加方法等は、ROUTEウェブサイトをお読みください。

ROUTEとは:Research Opportunities for UndergraduaTEsの大文字をならべたもので、本学理工学部学生のみなさんが、理工学の最先端の研究に参加できるプロジェクトです。ROUTEを辞書で調べてみると、船の航路、登山のルート等と出ています。我々教員と一緒に、世界へとつながる大海原へ出航、あるいは研究の険しい坂道を登ってみませんか?(本学ROUTEウェブページより)

国大化学会 ★ DCスタートアップ支援

松本昭源君 (DC1) が、2020年度 国大化学会 ドクターコーススタートアップ支援に採択されました。2020年4月1日(水)、化学棟にて目録授与式がありました。

国大化学会 ドクターコース支援 目録授与式