低温相X1-Yシリケートのシンチレーション特性 :: CVD of low-temp-phase X1-YSO scintillator

敷地愛莉さん (M2) の研究成果が、Sensors and Materials誌に受理されました。論文題目は、「Synthesis of Low-temperature-phase X1-Y2SiO5 Film Doped with Ce3+ and Its Luminescence Properties」です。

Ce3+添加Y2SiO5は、優れたシンチレータ材料として知られますが、従来の高温相 (X2型) ではなく、未開拓な低温相 (X1型) の蛍光発光特性の解明が求められていました。敷地さんは、安価な石英ガラス基板上へのCe3+添加X1-Y2SiO5単相膜の合成に挑戦し、成膜温度と原料組成を最適化することで、X1相の合成に成功しました。毎時72 µmという高速成膜を達成し、得られたX1相シンチレータは、α線励起下で23 nsの蛍光寿命を示し、既存の高温相シンチレータと同等の高速応答であることを明らかにしました。


A. Shikichi, A. Ito, Synthesis of Low-temperature-phase X1-Y2SiO5 Film Doped with Ce3+ and Its Luminescence Properties

Link to ScienceDirect Topics: scintillator, chemical vapor deposition

酸化テルビウム-アルミナ共晶系の気相析出 :: CVD of terbia-alumina eutectic system (Sens. Mater., 2026)

今井菜摘さん (M2) の研究成果が、Sensors and Materials誌に受理されました。論文題目は、「Synthesis of Composite Films in Tb2O3–Al2O3 Eutectic System by CVD method and Their Tb3+-centered Luminescence」です。

Tb2O3–Al2O3系共晶体は蛍光体として有望ですが、従来の溶融凝固法では不均一な組織になりやすく、微細組織の制御が課題でした。今井さんは、サファイア基板上へのTbAlO3–α-Al2O3およびTb3Al5O12–α-Al2O3複合膜の合成に挑戦し、組成比が微細組織に与える影響を丹念に調べました。共晶点近傍でのラメラ組織や遠方でのロッド組織といった構造制御に成功し、Tb3+に起因する緑色発光と各構成相由来の蛍光寿命特性を報告しました。


N. Imai, A. Ito, Synthesis of Composite Films in Tb2O3–Al2O3 Eutectic System by CVD method and Their Tb3+-centered Luminescence.

Link to ScienceDirect Topics: scintillator, chemical vapor deposition

国際会議STAC15★Bronze Prize Poster Award

国際会議STAC15 が、2025年9月29日(月)~10月1日(水)、東京科学大学で開催されました。浦田、今井、西巻がポスター発表を行ってきました。研究発表を評価して頂き、今井がBroze Prize Poster Awardを受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた大学のリリースは、次の通りです:今井

STAC15: The 15th International Conference on the Science and Technology for Advanced Ceramics

発表題目は、「Growth in directionally solidified Al2O3-YbAG eutectics and their microstructure」です。μ-PD法を用いてAl2O3-YbAG系の一方向凝固体を育成し、引き下げ距離によって共晶体の構成相の微細組織形成や結晶配向がどのように変化していくのか明らかにしました。今井さんの優れた発表内容およびプレゼンテーション能力が評価され、今回の受賞となりました。

Yb添加酸化ルテチウムの構造制御とシンチレーション特性 :: CVD of Yb:lutetia thick film scintillators (J. Lumin., 2025)

中山龍幸さん (25卒) の研究成果が、Journal Of Luminescence誌に受理されました。論文題目は「Yb3+:Lu2O3 thick film scintillators with dense and columnar structures grown via chemical vapor deposition」です。本研究は、東北大学との共同研究の一環として実施されました。

X線イメージングの空間分解能向上に向け、光の散乱を抑制する導波路効果が期待される柱状構造を有した、高融点酸化物シンチレータの気相合成法確立が求められています。中山さんは、Yb3+添加Lu2O3厚膜の合成において成膜温度や原料供給量を調整し、緻密構造および柱状構造の微細組織制御と発光特性の評価を行いました。柱状構造を持つ厚膜においても緻密膜と同等の発光量と約2 nsという高速な蛍光寿命が得られ、高分解能と高出力を両立するシンチレータとしての可能性が示されました。


T. Nakayama, S. Kurosawa, A. Ito, Yb3+:Lu2O3 thick film scintillators with dense and columnar structures grown via chemical vapor deposition, Journal of Luminescence.
https://doi.org/10.1016/j.jlumin.2025.121589

Link to ScienceDirect Topics: scintillator, chemical vapor deposition

Ce添加Caハフニウムペロブスカイト合成における基板選択とシンチレーション特性 :: CVD of Ce:CHO thick film scintillators (J. Lumin., 2025)

大賀輝昌くん (25卒) の研究成果が、Journal Of Luminescence誌に受理されました。論文題目は「Ce3+:CaHfO3 thick film scintillators epitaxially grown on SrTiO3, YAlO3, and MgO substrates using chemical vapor deposition」です。本研究は、東北大学との共同研究の一環として実施されました。

CaHfO3は、高密度かつ放射線阻止能が高い有望なシンチレータ材料ですが、約2700 Kという極めて高い融点を持つため、従来の溶融法では結晶成長や形状制御が困難であるという課題がありました 。大賀さんは、SrTiO3、YAlO3、MgOといった異なる単結晶基板上へのCe3+添加CaHfO3厚膜の高速エピタキシャル成長を試み、基板の種類が結晶配向や発光特性に与える影響を体系的に調べました 。毎時最大77 μmという高速成膜を達成し、特にMgO基板を用いた場合に、既報のCaHfO3単結晶と同等の約32 nsという高速な蛍光寿命と、2900 photons/5.5 MeVという優れたシンチレーション発光収率を示すことを明らかにしました。


T. Oga, S. Kurosawa, A. Ito, Ce3+:CaHfO3 thick film scintillators epitaxially grown on SrTiO3, YAlO3, and MgO substrates using chemical vapor deposition, Journal of Luminescence.
https://doi.org/10.1016/j.jlumin.2025.121568

Link to ScienceDirect Topics: scintillator, chemical vapor deposition

量子エネルギー変換 第3回研究会 ★ 講演奨励賞

応用物理学会 量子エネルギー変換 第3回研究会 兼 第36回次世代先端光科学研究会が、2025年9月15(月)~16日(火)に、草津温泉ホテルヴィレッジにて開催されました。

伊藤研究室からは、今井、敷地、金本、成合、西巻が参加して、研究成果をオンラインでポスター発表しました。研究発表を評価して頂き、今井が講演奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府や学部のリリースは、次の通りです:今井

発表題目は、「Al2O3-YbAG共晶体の合成と引き下げ条件が微細組織形成に及ぼす影響」です。YbAGは、選択的な熱放射体や希土類添加による放射線誘起蛍光体としての応用が期待される材料ですが、この共晶体の結晶育成パラメータが微細組織形成に与える影響を明らかにしました。今井さんの優れた発表内容およびプレゼンテーション能力が評価され、今回の受賞となりました。

国際会議ALPS2025

国際会議 ALPS2025 が、2025年4月21日(月)〜25日(金)、パシフィコ横浜にて開催されました。伊藤研からは、今井、敷地、金本が参加して、研究成果を発表しました。

ポスター発表中の伊藤研メンバー
ポスター発表中の伊藤研メンバー