第16回セラフェス ★ 優秀賞・奨励賞

第16回セラミックフェスタin神奈川が、2021年11月27日(土)、オンライン開催されました。セラミックフェスタin神奈川は、神奈川県下でセラミックス研究を推進する大学研究室間の学術交流を目的とした研究発表会です。

伊藤研究室からは、大賀、小菅、出口、中嶋、橋本、山井が参加して、研究成果をオンラインでポスター発表しました。研究発表を評価して頂き、中嶋が優秀賞、大賀が奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府や学部のリリースは、次の通りです:中嶋大賀



発表題目は「Lu2O3-MgO系コンポジット膜の化学気相析出」です。酸化マグネシウムは、いくつかの希土類酸化物と共晶系相図をとることが報告されていますが、その研究は限定的であり、特に酸化ルテチウムとの擬二元系に関する相図や秩序構造の形成に関する研究は、ほとんどなされていません。中嶋さんは、化学気相析出法を用いた酸化ルテチウムと酸化マグネシウム系のコンポジット膜の合成に関する研究に着手し、その予備研究成果を系統的にまとめて報告しました。中嶋さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。
発表題目は「CaHfO3 膜のエピタキシャル成長とシンチレーション特性」です。Ca ハフネートは、相対密度や有効原子番号が大きいことから放射線誘起蛍光体として期待されますが、融点が極めて高いことから、これまで溶融凝固法や焼結法による透明体の合成やその蛍光特性の評価が困難でした。大賀さんは、化学気相析出法を用いた Ca ハフネート厚膜蛍光体の高速エピタキシャル成長に成功し、そのシンチレーション特性を報告しました。大賀さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。

第19回次世代先端光科学研究会・極限的励起状態 第3回研究会 ★ 講演奨励賞

2021年10月8日(金)に、第19回次世代先端光科学研究会 及び 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ 第3回研究会がオンライン開催されました。伊藤研からは、三觜と藤江が参加し、研究成果発表を行いました。

研究発表を評価して頂き、藤江が講演奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、次の通りです:藤江

発表題目は「CVD法によるSrHfO3膜の合成とPLおよびシンチレーション特性評価」です。SrHfO3は、密度が高く、実効原子番号が大きいことから、放射線誘起蛍光体として期待されます。しかし、融点が高いことから、融液成長法による単結晶育成が困難でした。藤江さんは、SrHfO3厚膜蛍光体の化学気相析出 (CVD) 法による高速エピタキシャル成長に成功し、そのフォトルミネッセンス (PL) 特性やシンチレーション特性を報告しました。藤江さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。

第37回セラ協関東支部 ★ 奨励賞

第37回 日本セラミックス協会 関東支部研究発表会が、2021年9月21日(火)-22(水)、オンライン開催されます。伊藤研究室からは、梅堀、川田、出口、三觜、藤江および伊藤が参加しました。

研究発表を評価して頂き、三觜が奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、次の通りです:三觜

発表題目は「化学気相析出法によるAl2O3-Y3Al5O12複合膜の合成とその蛍光特性評価」です。三觜さんは、アルミナ-イットリア共晶系の有機金属化学気相析出 (MOCVD) に関する研究を重ねる中で、気相からの秩序構造の形成を見出してきました。今回、透明なアルミナ母相中にイットリウムアルミニウムガーネット蛍光体がナノレベルで秩序構造を形成した複合膜を合成し、その放射線誘起蛍光特性を報告しました。三觜さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。 

第34回セラ協秋季シンポ ★ ポスター最優秀賞

第34回 日本セラミックス協会 秋季シンポジウムが、2021年9月1日(水)-3(金)、オンライン開催されました。伊藤研究室からは、松本および伊藤が参加します。

伊藤は、産学連携・技術マッチングセッション (2021 年9 ⽉2 ⽇(⽊) 13:00〜18:00) にて、「気相からの⾃⼰組織化を利⽤したエンジニアリングセラミックスの機能発現」と題して招待講演させて頂きました。松本は、クリスタルサイエンス —結晶育成技術の新展開と材料研究—セッションでポスター発表を行いました。

研究発表を評価して頂き、松本が最優秀発表賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、次の通りです:松本

発表題目は「Ce3+添加Lu3Al5O12厚膜蛍光体の高速化学気相析出とその発光特性評価」です。X線による工業製品の透視検査は、内部の欠陥を非破壊で検出できる手法です。X線の可視化には無機固体シンチレータが用いられますが、検査画像の空間分解能を向上させるために、シンチレータの厚みを薄くする方法が研究されています。一般に、無機固体シンチレータは大型結晶として育成されるため、これを薄片加工するには大きなコストを必要とします。  
 松本さんは、厚膜形状の Ce3+添加Lu3Al5O12 シンチレータを、化学気相析出法を用いて高速合成することに成功し、そのシンチレーション特性を報告しました。本研究成果は、高分解能X線イメージング装置向け厚膜シンチレータの迅速製造プロセスとして活用されることが期待されます。松本さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。

第15回セラフェス ★ 優秀発表賞

第15回セラミックフェスタin神奈川が、2020年12月12日(土)、オンライン開催されました。セラミックフェスタin神奈川は、神奈川県下でセラミックス研究を推進する大学研究室間の学術交流を目的とした研究発表会です。

伊藤研究室からは、三觜と藤江が参加して、研究成果をオンラインでポスター発表しました。研究発表を評価して頂き、藤江が優秀発表賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、次の通りです:藤江

発表題目は、「化学気相析出法を用いたSrハフネート膜の合成と蛍光特性」です。Srハフネートは、密度が高く、実効原子番号が大きいことから、放射線を可視光に変換するシンチレーション結晶として期待されます。しかし、融点が高いことから、溶融凝固法や焼結法による透明蛍光体の合成が困難でした。藤江さんは、気相法による高速エピタキシャル成長を提案し、これを実現するためにまずSr有機金属化合物原料の選定を行いました。次いで、Srハフネートの透明厚膜蛍光体の高速気相成に成功し、その成長様式や蛍光特性を報告しました。藤江さんの優れた発表内容およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。

MRM Forum 2020 ★ 優秀若手発表賞

MRM Forum 2020 が、2020年12月7日(月)~9日(水)、オンライン開催されました。 伊藤研究室からは、松本、三觜、藤江が参加し、TS-9 Smart processing のセッションにて研究成果をオンラインポスター発表しました。

研究発表を評価して頂き、松本が優秀若手発表賞を受賞することができました (MRM Forum 2020公式発表)。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、こちらです。

発表題目は、「化学気相析出法を用いたHfO2透明厚膜の高速エピタキシャル成長とその蛍光特性評価」です。がんの早期発見や空港での手荷物検査の場では、X線を用いた画像診断法が用いられます。少量のX線照射で効率よく撮像を行うためには、優れたシンチレータ結晶が求められます。酸化ハフニウム (HfO2) は、高いX線阻止能を有することから、シンチレータ材料として有望です。一方、融点が高く温度変化に対して可逆相転移を示すことから、従来の溶融凝固法での結晶育成が困難でした。松本さんは、気相法を用いた酸化ハフニウムの透明厚膜蛍光体の高速合成に成功し、そのナノ構造や発光特性を報告しました。松本さんの優れた発表内容およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。

第36回セラ協関東支部 ★ 優秀賞・奨励賞

第36回 日本セラミックス協会 関東支部研究発表会が、2020年9月17日(木)、オンライン開催されました。伊藤研究室からは、相田、渋谷、松本、三觜、藤江および伊藤が参加しました。

研究発表を評価して頂き、三觜が優秀賞、松本が奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、次の通りです:三觜松本

三觜さんの発表題目は、「MOCVD 法を用いた Al2O3-Y2O3系複合膜の合成における原料組成が微細組織に及ぼす影響」です。共晶セラミックスは、共晶反応による秩序構造を形成し、機械的、熱的、光学的に優れた特性を発現します。これまでこのような秩序構造は、液相からの溶融凝固組織として知られてきました。三觜さんは、アルミナ-イットリア共晶系の有機金属化学気相析出 (MOCVD) に関する研究を重ねる中で、気相からの秩序構造の形成を見出しました。これは、気相成長複合材料の実現に向けた有力な実験結果です。三觜さんの優れた発表内容およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。
松本さんの発表題目は、「化学気相析出法による HfO2透明厚膜の合成とその蛍光特性評価」です。酸化ハフニウムは、密度が高く、実効原子番号が大きいことから、シンチレーション結晶として期待されます。しかし、融点が高く、温度に対して可逆相転移を示すことから、溶融凝固法や焼結法による透明蛍光体の合成が困難でした。松本さんは、気相法を用いた単斜晶HfO2の透明厚膜蛍光体の高速合成に成功し、その結晶成長様式や蛍光特性を報告しました。松本さんの優れた発表内容およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。