極限的励起状態 第6回研究会 ★ 講演奨励賞・若手奨励賞

2022年6月27日(月)に、応用物理学会 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ 第6回研究会 兼 第22回次世代先端光科学研究会がオンライン開催されました。

伊藤研究室からは、松本、小菅、山井、出口、任、橋本、中山、山口が参加して、研究成果をオンラインでポスター発表しました。研究発表を評価して頂き、松本が講演奨励賞、山井が若手奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府や学部のリリースは、次の通りです:山井松本

発表題目は「CVD法による希土類添加Mg2Hf5O12厚膜蛍光体の合成」です。ハフニウムの複酸化物は、実効原子番号が大きく放射線阻止能が高いことから、放射線誘起蛍光体への応用が期待されますが、融点が高いことから、結晶育成や蛍光特性に関する研究は限定的です。中でもマグネシウムハフネートは、不一致溶融化合物であり、単結晶体の育成が困難でありました。山井さんは、化学気相析出 (CVD) 法を用いたマグネシウムハフネート蛍光体の合成に成功し、各種希土類元素を添加したマグネシウムハフネート蛍光体のフォトルミネッセンス特性を報告しました。山井さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。
発表題目は「CVD法により合成したCe3+添加Lu3Al5O12膜のシンチレーション特性」です。原子力発電所における除染現場では、空気中に多量の放射線物質が存在していることから、作業員の安全確保が必要です。中でも、プルトニウムといったα線核種は、吸引すると重大な内部被ばくを起こす恐れがあり、除染環境中のα線線量モニタリングが重要とされてきました。従来のα線検出には、粉末形状のシンチレータが用いられていますが、検出感度と耐久性に課題がありました。粉末シンチレータに代わる材料として、厚膜形状に加工された固体シンチレータが注目されています。しかし、大型結晶として育成されたシンチレータ結晶を薄片へ加工するには、多大なコストが必要となるため、代替の結晶育成プロセスが求められていました。松本さんは、化学気相析出法を利用することで膜状のCe3+添加Lu3Al5O12シンチレータを合成、その厚みがα線の応答特性に及ぼす影響を調査、その優れたシンチレーション特性を報告しました。松本さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。

第16回セラフェス ★ 優秀賞・奨励賞

第16回セラミックフェスタin神奈川が、2021年11月27日(土)、オンライン開催されました。セラミックフェスタin神奈川は、神奈川県下でセラミックス研究を推進する大学研究室間の学術交流を目的とした研究発表会です。

伊藤研究室からは、大賀、小菅、出口、中嶋、橋本、山井が参加して、研究成果をオンラインでポスター発表しました。研究発表を評価して頂き、中嶋が優秀賞、大賀が奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府や学部のリリースは、次の通りです:中嶋大賀



発表題目は「Lu2O3-MgO系コンポジット膜の化学気相析出」です。酸化マグネシウムは、いくつかの希土類酸化物と共晶系相図をとることが報告されていますが、その研究は限定的であり、特に酸化ルテチウムとの擬二元系に関する相図や秩序構造の形成に関する研究は、ほとんどなされていません。中嶋さんは、化学気相析出法を用いた酸化ルテチウムと酸化マグネシウム系のコンポジット膜の合成に関する研究に着手し、その予備研究成果を系統的にまとめて報告しました。中嶋さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。
発表題目は「CaHfO3 膜のエピタキシャル成長とシンチレーション特性」です。Ca ハフネートは、相対密度や有効原子番号が大きいことから放射線誘起蛍光体として期待されますが、融点が極めて高いことから、これまで溶融凝固法や焼結法による透明体の合成やその蛍光特性の評価が困難でした。大賀さんは、化学気相析出法を用いた Ca ハフネート厚膜蛍光体の高速エピタキシャル成長に成功し、そのシンチレーション特性を報告しました。大賀さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。

第19回次世代先端光科学研究会・極限的励起状態 第3回研究会 ★ 講演奨励賞

2021年10月8日(金)に、第19回次世代先端光科学研究会 及び 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ 第3回研究会がオンライン開催されました。伊藤研からは、三觜と藤江が参加し、研究成果発表を行いました。

研究発表を評価して頂き、藤江が講演奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、次の通りです:藤江

発表題目は「CVD法によるSrHfO3膜の合成とPLおよびシンチレーション特性評価」です。SrHfO3は、密度が高く、実効原子番号が大きいことから、放射線誘起蛍光体として期待されます。しかし、融点が高いことから、融液成長法による単結晶育成が困難でした。藤江さんは、SrHfO3厚膜蛍光体の化学気相析出 (CVD) 法による高速エピタキシャル成長に成功し、そのフォトルミネッセンス (PL) 特性やシンチレーション特性を報告しました。藤江さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。

第37回セラ協関東支部 ★ 奨励賞

第37回 日本セラミックス協会 関東支部研究発表会が、2021年9月21日(火)-22(水)、オンライン開催されます。伊藤研究室からは、梅堀、川田、出口、三觜、藤江および伊藤が参加しました。

研究発表を評価して頂き、三觜が奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、次の通りです:三觜

発表題目は「化学気相析出法によるAl2O3-Y3Al5O12複合膜の合成とその蛍光特性評価」です。三觜さんは、アルミナ-イットリア共晶系の有機金属化学気相析出 (MOCVD) に関する研究を重ねる中で、気相からの秩序構造の形成を見出してきました。今回、透明なアルミナ母相中にイットリウムアルミニウムガーネット蛍光体がナノレベルで秩序構造を形成した複合膜を合成し、その放射線誘起蛍光特性を報告しました。三觜さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。 

第74回CVD研究会 (Invited)

2021年8月6日(金)に、第74回CVD研究会がオンライン開催されました。伊藤が参加し、「レーザーを援用した化学気相析出法による自己配向成長と蛍光体応用」に関する研究成果発表を行いました。

LuAG厚膜シンチレータの高速化学気相析出 :: CVD of Ce-doped LuAG thick film scintillators (Sens. Mater., 2021)

松本昭源さん (D2) の研究成果が、Sensors and Materials 誌に受理されました。論文題目は「Photo- and Radioluminescence Properties of Ce3+-doped Lu3Al5O12 Thick Film Grown by Chemical Vapor Deposition」です。本研究は、Open Access 論文として公開されています。


S. Matsumoto, A. Ito, Photo- and Radioluminescence Properties of Ce3+-doped Lu3Al5O12 Thick Film Grown by Chemical Vapor Deposition, Sensors and Materials. https://doi.org/10.18494/SAM.2021.3325

Link to ScienceDirect Topics: scintillator, chemical vapor deposition

Japan-India YNU symposium 2020

2020年12月27-28日に、Japan‐India YNU Symposium 2020がオンライン開催されました。伊藤研究室からは、松本、川田、藤江、三觜が参加して、研究成果をオンラインポスター発表しました。

第15回セラフェス ★ 優秀発表賞

第15回セラミックフェスタin神奈川が、2020年12月12日(土)、オンライン開催されました。セラミックフェスタin神奈川は、神奈川県下でセラミックス研究を推進する大学研究室間の学術交流を目的とした研究発表会です。

伊藤研究室からは、三觜と藤江が参加して、研究成果をオンラインでポスター発表しました。研究発表を評価して頂き、藤江が優秀発表賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、次の通りです:藤江

発表題目は、「化学気相析出法を用いたSrハフネート膜の合成と蛍光特性」です。Srハフネートは、密度が高く、実効原子番号が大きいことから、放射線を可視光に変換するシンチレーション結晶として期待されます。しかし、融点が高いことから、溶融凝固法や焼結法による透明蛍光体の合成が困難でした。藤江さんは、気相法による高速エピタキシャル成長を提案し、これを実現するためにまずSr有機金属化合物原料の選定を行いました。次いで、Srハフネートの透明厚膜蛍光体の高速気相成に成功し、その成長様式や蛍光特性を報告しました。藤江さんの優れた発表内容およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。