2021年11月24日(金)に、化学工学会 2021年度第1回 表面改質分科会がオンライン開催されました。伊藤が参加し、「化学気相析出法における自己組織化と放射線誘起蛍光体への応用」に関する招待講演を行いました。
第19回次世代先端光科学研究会・極限的励起状態 第3回研究会 ★ 講演奨励賞
2021年10月8日(金)に、第19回次世代先端光科学研究会 及び 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ 第3回研究会がオンライン開催されました。伊藤研からは、三觜と藤江が参加し、研究成果発表を行いました。
研究発表を評価して頂き、藤江が講演奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、次の通りです:藤江。
第74回CVD研究会 (Invited)
2021年8月6日(金)に、第74回CVD研究会がオンライン開催されました。伊藤が参加し、「レーザーを援用した化学気相析出法による自己配向成長と蛍光体応用」に関する研究成果発表を行いました。
LuAG厚膜シンチレータの高速化学気相析出 :: CVD of Ce-doped LuAG thick film scintillators (Sens. Mater., 2021)
松本昭源さん (D2) の研究成果が、Sensors and Materials 誌に受理されました。論文題目は「Photo- and Radioluminescence Properties of Ce3+-doped Lu3Al5O12 Thick Film Grown by Chemical Vapor Deposition」です。本研究は、Open Access 論文として公開されています。
S. Matsumoto, A. Ito, Photo- and Radioluminescence Properties of Ce3+-doped Lu3Al5O12 Thick Film Grown by Chemical Vapor Deposition, Sensors and Materials. https://doi.org/10.18494/SAM.2021.3325
Link to ScienceDirect Topics: scintillator, chemical vapor deposition
セラ協 2021年年会
日本セラミックス協会 2021年年会が、2021年3月23日(火)〜25日(木)、オンラインにて開催されました。伊藤研からは、松本と藤江が参加して、「ガラス・フォトニクス材料」セッションにて研究発表しました。
MRM Forum 2020 ★ 優秀若手発表賞
MRM Forum 2020 が、2020年12月7日(月)~9日(水)、オンライン開催されました。 伊藤研究室からは、松本、三觜、藤江が参加し、TS-9 Smart processing のセッションにて研究成果をオンラインポスター発表しました。
研究発表を評価して頂き、松本が優秀若手発表賞を受賞することができました (MRM Forum 2020公式発表)。研究内容と受賞者の写真を添えた学府のリリースは、こちらです。
第16回次世代先端光科学研究会 (Invited)
2020年11月30日(月)に、第16回次世代先端光科学研究会が静岡大学浜松キャンパスにてハイブリッド開催されました。伊藤が参加し、「化学気相析出法を用いたHf系およびLu系蛍光体厚膜の気相合成」に関する研究成果発表を行いました。
透明厚膜蛍光体の高速気相成長法の確立 :: CVD route to transparent thick films of Eu-doped hafnia and lutetia for phosphors (Opt. Mater. Express, 2020)
松本昭源君 (M2) の研究成果が、米国光学学会 Optical Materials Express 誌に受理されました。論文題目は「Chemical Vapor Deposition Route to Transparent Thick Films of Eu3+-doped HfO2 and Lu2O3 for Luminescent Phosphors」です。本研究は、Open Access 論文として一般公開されます。
伊藤研究室では、セラミックス光学材料の製造プロセスとして高速化学気相析出法を研究しており、 溶解凝固法や焼結法を代替する合成ルートとして提案しています。一般に、セラミックス光学材料には、溶解凝固法により育成した単結晶セラミックスが広く用いられます。しかし、超高融点セラミックスでは、溶融に大きなエネルギーが必要となり、超高温融液の保持も簡単ではありません。近年、セラミックス粉末を焼結することで、単結晶に匹敵する透明多結晶セラミックスを製造する技術が注目されています。しかし、優れた透光性を引き出すためには、原料粉末の調整や予備処理のノウハウが決め手となります。また、温度変化によって可逆的相転移を示すセラミックス材料を合成する際、 溶解凝固法や焼結法では、相転移に伴う体積変化による結晶の割れが問題となります。
超高融点セラミックスの中でも、酸化ハフニウム (HfO2) や酸化ルテチウム (Lu2O3) は、ワイドバンドギャップ (5.8および5.5 eV)、高密度 (10.1および9.5 Mg m−3)、高有効原子番号 (67.3および67.4) を示し、シンチレーターやレーザー向けのホスト光学材料として注目されます。しかしながら、これらの材料は超高融点 (それぞれ3031および2763 K) であり、特にHfO2は、温度によって単斜晶⇔正方晶⇔立方晶の間で可逆的に相転移するため、溶融凝固法や焼結法では光学結晶を合成することが困難でした。
本研究では、レーザー加熱CVD法を用いて単斜晶HfO2および立方晶Lu2O3の透明厚膜の高速化学気相析出に成功しました。HfやLu原料ガスとともにEu原料ガスを同時供給することで、Eu3+イオンをHfO2およびLu2O3中に均一にドープすることが可能であり、紫外線照射下にてEu3+イオンの5D0 →7FJ遷移に起因する顕著な赤色蛍光を示す透明蛍光体厚膜が得られました。蛍光発光および蛍光励起スペクトルは、VRBE (Vacuum Referred Binding Energy) スキームおよびDiekeダイアグラムとともに考察しました。Eu3+イオンは、配位子場環境によって5D0 →7FJ遷移の発光強度比が異なることが知られており、蛍光スペクトルからもHfO2単斜晶相の気相成長を確認できます。本研究は、レーザー加熱CVD法がセラミックス光学結晶の迅速製造プロセスとして有効な合成ルートであることを示すものです。
伊藤暁彦研究室では引き続き、ハフニウム系やルテチウム系酸化物を中心に、光学材料として期待される超高融点材料、難焼結材料、非平衡相材料の高速化学気相析出に関する研究を進める一方、共同研究を通じてその機械的特性や光学的特性を明らかにしていきます。
尚、本研究成果の一部は、日本学術振興会科研費・基盤研究 (17H03426、17H01319および18H01887)、横浜工業会・令和元年度学術研究推進援助事業の支援を受けて得られたものです。
S. Matsumoto, A. Ito, Chemical Vapor Deposition Route to Transparent Thick Films of Europium-doped Hafnia and Lutetia for Luminescent Phosphor, Optical Materials Express. https://doi.org/10.1364/OME.386425
Link to ScienceDirect Topics: hafnium, lutetium, luminescence, luminescent-material