YAG共晶系厚膜シンチレータの化学気相析出 :: CVD of YAG-alumina chemically deposited eutectics (J. Am. Ceram. Soc., 2023)

三觜佑理さん (当時M2) および松本昭源さん (D3) の研究成果が、J. Am. Ceram. Soc. 誌に受理されました。論文題目は「Chemical vapor deposition of ordered structures in YAG–alumina eutectic system」です。2023年5月5日にオンライン公開され、2023年6月7日にOpen Access化されました。

詳細は、プレスリリースをご覧ください。

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尚、本研究成果の一部は、日本学術振興会科学研究費補助金・特別研究員奨励費、NEDO官民による若手研究者発掘支援事業、横浜工業会学術研究推進援助、環境情報研究院共同研究推進プロジェクトの支援を受けて得られたものです。


Y. Mitsuhashi, S. Matsumoto, A. Ito, Chemical vapor deposition of ordered structures in YAG–alumina eutectic system, Journal of the American Ceramic Society.
https://doi.org/10.1111/jace.19176

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LuAG共晶系厚膜シンチレータの化学気相析出 :: CVD of LuAG-alumina chemically deposited eutectics for scintillators (Opt. Mater., 2023)

松本昭源さん (D3) の研究成果が、Optical Materials 誌に受理されました。論文題目は「Growth and scintillation properties of Ce3+:LuAG–Al2O3 chemically deposited eutectics」です。本研究は、東北大学およびファインセラミックスセンターとのそれぞれの共同研究の成果をまとめたものです。


S. Matsumoto, S. Kurosawa, D. Yokoe, T. Kimura, A. Ito, Growth and scintillation properties of Ce3+:LuAG–Al2O3 chemically deposited eutectics, Optical Materials.
https://doi.org/10.1016/j.optmat.2023.113674

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セラ協 2023年年会

日本セラミックス協会 2023年年会が、2023年3月8日(水)〜10日(金)、神奈川大学みなとみらいキャンパスにて開催されました。伊藤研からは、松本、出口、中山、藤村、伏屋が参加して、「エンジニアリングセラミックス」および「ガラス・フォトニクス材料」セッションにて研究発表しました。

第17回セラフェス ★ 奨励賞

第17回セラミックフェスタin神奈川が、2022年12月10日(土)、神奈川大学みなとみらいキャンパスで開催されました。セラミックフェスタin神奈川は、神奈川県下でセラミックス研究を推進する大学研究室間の学術交流を目的とした研究発表会です。

伊藤研究室からは、7名の学生がポスター発表参加し、研究成果を現地でポスター発表してきました。また、11名の学生が聴講者としてポスターセッション等に参加し、学術交流してきました。研究発表を評価して頂き、敷地が奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学部のリリースは、次の通りです:敷地

発表題目は、「 Eu3+添加 HfO2膜の石英ガラス基板上への自己配向成長」です。賦活元素を添加した酸化ハフニウムは、 Hf元素由来の優れた放射線阻止能を有することから、 X線撮像装置における放射線誘起蛍光体への応用が期待されます。しかし、可逆的相転移を示すことから、単結晶育成や透明セラミックスの合成が難しい材料です。敷地さんは、酸化ハフニウム柱状晶を石英ガラス基板上に自己配向成長させることに成功しました。敷地さんの優れた発表内容およびプレゼンテーション能力が評価され、今回の受賞となりました。

X線撮像向けLuAG厚膜シンチレータの迅速製造技術 :: High-throughput production of LuAG-based thick film scintillators (Sci. Rep., 2022)

srep-luag

松本昭源君 (D3) の研究成果が、Nature portfolio が出版する Scientific Reports 誌に受理されました。論文題目は「High-throughput production of LuAG‑based highly luminescent thick flm scintillators for radiation detection and imaging」です。本研究は、Open Access 論文として、2022年11月11日にオンライン公開されました。

詳細は、プレスリリースをご覧ください。

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尚、本研究成果の一部は、日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 (21J11881)、JST-SCORE IdP-GAPファンド (JPMJST2078)、NEDO官民による若手研究者発掘支援事業、日本学術振興会科学研究費補助金 (JP17H03426, JP20H02477, JP20H05186, 21H01825, 21H05199)、横浜工業会学術研究推進援助、環境情報研究院共同研究推進プロジェクトの支援を受けて得られたものです。


S. Matsumoto, A. Ito, High-throughput production of LuAG‑based highly luminescent thick flm scintillators for radiation detection and imaging, Scientific Reports. https://doi.org/10.1038/s41598-022-23839-w

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厚膜シンチレータの高速化学気相析出に関する研究成果 :: CVD of oxide-based thick film scintillators (JJAP, 2022)

伊藤暁彦研究室が現在取り組んでいる「厚膜シンチレーターの高速化学気相成長」に関する研究成果の一部を、Japanese Journal of Applied Physics 誌に Review 論文としてまとめました。論文題目は「Chemically vapor deposited oxide-based thick film scintillators」です。本研究は、Open Access 論文として、2022年11月11日付で ACCEPTED MANUSCRIPT としてオンライン先行公開されています。

放射線の検出技術やイメージング技術は、生産技術分野における非破壊検査、医療分野における診断と治療、空港や原子力施設におけるセキュリティ活動などに利用されています。放射線の検出、画像化の感度・分解能を向上させるためには、放射線を可視光に変換する蛍光体 (シンチレータ) 媒体中の光散乱や自己吸収を抑える必要があります。近年、厚さ数十マイクロメートルの厚膜シンチレータが注目されていますが、単結晶バルク体や多結晶透明セラミックス焼結体を切断・研磨して製造しているため、製造や成形に大きなコストがかかっています。

本レビュー論文ではまず、α粒子検出やX線イメージングにおける厚膜シンチレータの利点を数値シミュレーションにより考察しています。次いで、我々の研究室で取り組んでいる「タングステン系やルテチウム系の実用酸化物材料の化学気相析出」に関する研究成果を列挙し、厚膜シンチレータを直接かつ迅速に合成する新しいプロセスとして化学気相析出法を紹介しています。


A. Ito, S. Matsumoto, Chemically vapor deposited oxide-based thick film scintillators, Japanese Journal of Applied Physics. https://doi.org/10.35848/1347-4065/aca249

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第35回セラ協秋季シンポ ★ 優秀発表賞・奨励賞

第35回 日本セラミックス協会 秋季シンポジウムが、2022年9月14日(水)-16(金)、徳島大学 常三島キャンパスにてハイブリッド開催されました。

伊藤研究室からは、伊藤、松本が現地で口頭発表、梅堀、小菅、中嶋、山井、任、渡辺、出口、橋本、山口、中山がオンラインでポスター発表しました。研究発表を評価して頂き、松本が優秀発表賞、中嶋が奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府や学部のリリースは、次の通りです:中嶋松本

発表題目は「MOCVD法によるLu2O3-MgO複合膜の合成」です。酸化ルテチウムと酸化マグネシウムは、共晶系相図をとることが予想されていますが、未だ共晶組織の形成に関する報告はありません。中嶋さんは、MOCVD法を用いた複合膜の高速エピタキシャル成長に関する研究成果を報告しました。中嶋さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。
発表題目は「Ce3+添加Lu3Al5O12-Al2O3複合膜の化学気相析出と発光特性評価」です。放射線検出には、粉末やバルク単結晶のシンチレータが広く用いられていますが、近年、厚膜形状に加工されたシンチレータが注目されています。松本さんは、化学気相析出法を利用して発光相と透光相が複合化した厚膜シンチレータを合成し、そのシンチレーション特性を報告しました。松本さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。

極限的励起状態 第6回研究会 ★ 講演奨励賞・若手奨励賞

2022年6月27日(月)に、応用物理学会 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ 第6回研究会 兼 第22回次世代先端光科学研究会がオンライン開催されました。

伊藤研究室からは、松本、小菅、山井、出口、任、橋本、中山、山口が参加して、研究成果をオンラインでポスター発表しました。研究発表を評価して頂き、松本が講演奨励賞、山井が若手奨励賞を受賞することができました。研究内容と受賞者の写真を添えた学府や学部のリリースは、次の通りです:山井松本

発表題目は「CVD法による希土類添加Mg2Hf5O12厚膜蛍光体の合成」です。ハフニウムの複酸化物は、実効原子番号が大きく放射線阻止能が高いことから、放射線誘起蛍光体への応用が期待されますが、融点が高いことから、結晶育成や蛍光特性に関する研究は限定的です。中でもマグネシウムハフネートは、不一致溶融化合物であり、単結晶体の育成が困難でありました。山井さんは、化学気相析出 (CVD) 法を用いたマグネシウムハフネート蛍光体の合成に成功し、各種希土類元素を添加したマグネシウムハフネート蛍光体のフォトルミネッセンス特性を報告しました。山井さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。
発表題目は「CVD法により合成したCe3+添加Lu3Al5O12膜のシンチレーション特性」です。原子力発電所における除染現場では、空気中に多量の放射線物質が存在していることから、作業員の安全確保が必要です。中でも、プルトニウムといったα線核種は、吸引すると重大な内部被ばくを起こす恐れがあり、除染環境中のα線線量モニタリングが重要とされてきました。従来のα線検出には、粉末形状のシンチレータが用いられていますが、検出感度と耐久性に課題がありました。粉末シンチレータに代わる材料として、厚膜形状に加工された固体シンチレータが注目されています。しかし、大型結晶として育成されたシンチレータ結晶を薄片へ加工するには、多大なコストが必要となるため、代替の結晶育成プロセスが求められていました。松本さんは、化学気相析出法を利用することで膜状のCe3+添加Lu3Al5O12シンチレータを合成、その厚みがα線の応答特性に及ぼす影響を調査、その優れたシンチレーション特性を報告しました。松本さんの優れた研究成果およびプレゼンテーション能力が高く評価され、今回の受賞となりました。