厚膜シンチレータの高速化学気相析出に関する研究成果 :: CVD of oxide-based thick film scintillators (JJAP, 2022)

伊藤暁彦研究室が現在取り組んでいる「厚膜シンチレーターの高速化学気相成長」に関する研究成果の一部を、Japanese Journal of Applied Physics 誌に Review 論文としてまとめました。論文題目は「Chemically vapor deposited oxide-based thick film scintillators」です。本研究は、Open Access 論文として、2022年11月11日付で ACCEPTED MANUSCRIPT としてオンライン先行公開されています。

放射線の検出技術やイメージング技術は、生産技術分野における非破壊検査、医療分野における診断と治療、空港や原子力施設におけるセキュリティ活動などに利用されています。放射線の検出、画像化の感度・分解能を向上させるためには、放射線を可視光に変換する蛍光体 (シンチレータ) 媒体中の光散乱や自己吸収を抑える必要があります。近年、厚さ数十マイクロメートルの厚膜シンチレータが注目されていますが、単結晶バルク体や多結晶透明セラミックス焼結体を切断・研磨して製造しているため、製造や成形に大きなコストがかかっています。

本レビュー論文ではまず、α粒子検出やX線イメージングにおける厚膜シンチレータの利点を数値シミュレーションにより考察しています。次いで、我々の研究室で取り組んでいる「タングステン系やルテチウム系の実用酸化物材料の化学気相析出」に関する研究成果を列挙し、厚膜シンチレータを直接かつ迅速に合成する新しいプロセスとして化学気相析出法を紹介しています。


A. Ito, S. Matsumoto, Chemically vapor deposited oxide-based thick film scintillators, Japanese Journal of Applied Physics. https://doi.org/10.35848/1347-4065/aca249

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